総合旅行業務取扱管理者の資格試験を受けると決めて、早めに勉強をスタートしようとテキストを用意したものの、当時の私はこんなことを考えていました。
- 「何から手を付けたらいいのだろう」
- 「テキストを読み始めたけど、もう挫折しそう」
- 「本当に受験できるレベルまで行けるのか」
総合旅行業務取扱管理者試験のテキストのページをめくりながら、日にちだけが過ぎていく。
独学受験を決めたは良いけれど、なかなか勉強をスタートできずにいました。
限られた時間内で、この分厚いテキストをすべて頭に入れるにはどうしたら良いだろうかと考え、
なじみやすいところから少しずつ、総合旅行業務取扱管理者の試験勉強に取りかかる作戦を立てました。
私の作戦はずばり、これです。
しかしいきなり暗記モードに入ったわけではなく、まずは白地図に観光資源を書き込むという単純作業から始めました。
観光資源の分野は、海外旅行実務のセクションです。
そう、総合旅行業務取扱管理者の独学学習スタートは「海外旅行実務」からなのです。
海外旅行実務の観光資源は、頭を悩ますような勉強ではなかったため、スムーズに総合旅行業務取扱管理者の独学学習に入っていくことに成功。
結果このスタートが功を奏して、私は独学での一発合格を実現しました。
それでは私が実践した、総合旅行業務取扱管理者試験最大の難関である海外旅行実務、その効率の良い独学勉強方法を具体的にご紹介します。
どこから始める?最初に開くページは「第4編 海外旅行実務」
ユーキャンの総合旅行業務取扱管理者テキストを手に入れたら、最初に開くページは第4編の海外旅行実務です。
総合旅行業務取扱管理者試験の海外旅行実務には4つのセクションがあり、どれも必ず出題され配点も高いので必ずすべて勉強しなくてはなりません。
2023年版 ユーキャンの国内・総合旅行業務取扱管理者 速習レッスン (ユーキャンの資格試験シリーズ) [ ユーキャン旅行業務取扱管理者試験研究会 ] 価格:3080円 |
海外旅行実務の4つのセクション
- 第1章 旅行実務
- 第2章 国際航空運賃
- 第3章 出入国関係法令・実務
- 第4章 海外の観光資源
では、効率よく独学で勉強していくにはどの順がベストなのか。
私のおすすめはこちらです。
【海外旅行実務】この順に勉強しよう
- 第4章 海外の観光資源
- 第1章 旅行実務
- 第2章 国際航空運賃
- 第3章 出入国関係法令・実務
観光資源は覚えることが膨大なため、暗記するまでに時間がかかりましたが、自分が海外旅行へ行くつもりでコツコツ取り組み、楽しみながら独学学習を進めました。
【海外の観光資源】まずは覚えられなくてもOK!白地図に観光資源をどんどん書き込んでいく
観光資源=世界地理です。
私は過去に総合旅行業務取扱管理者試験で出題のあった国に絞り【46か国+アフリカ+中米+南米】の地図を完成させました。
出題率の高い国から攻めていきましょう。
【第4章海外の観光資源】おすすめ学習順
- ヨーロッパ
- 北米(アメリカ・カナダ)・ハワイ
- 中南米
- アフリカ
- アジア
- 中東
- オセアニア
白地図をダウンロード・印刷し、覚えたい内容を書き込んでいきます。
イラストを描いてみたり、色を付けたり。
最終的に自分の作り上げた地図が、総合旅行業務取扱管理者試験の時に、パッと頭に浮かぶのが目標です。
ユーキャンの総合旅行業務取扱管理者テキストでは、国ごとに都市の説明がありますが地図は載っていません。
グーグルマップや、地図帳を使って「その国のその都市がどこにあるのか」を必ず確認する必要があります。
当時旅行会社勤務をしていた私は、不要なパンフレットを切り抜いて写真を張り付けたりしていました。
世界中のガイドブックは揃えられないけれど、旅行パンフレットは最低限の主要観光地を勉強するにはおすすめです。
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【旅行実務】暗記ものに着手!2レターコード・3レターコード・エリア区分
あなたの白地図は、書き込みでいっぱいになりましたか?
50枚以上の地図が完成すると達成感もあり、「ちゃんと進んでるぞ」と少し自信が持てるようになるはずです。
ここまで来たら、続いては暗記もの。
コードやエリア区分を覚えるための準備にとりかかります。
「2レターコード」=航空会社コード
航空業界・旅行業界では、アルファベット2文字で航空会社を表します
これを「2レターコード」といいます
ユーキャンのテキストではアルファベット順に掲載されていますが、私は国籍に分けて覚えました
Aから順に覚えようとすると、どうしても最後の方は記憶に残りにくい
けれど(主要な)航空会社コードを国籍別にまとめてみると、覚えやすい
手書きで、何度も何度も書いて復習しました
「3レターコード」=都市コード・空港コード
航空業界・旅行業界では、アルファベット3文字で都市や空港を表します。
これを「3レターコード」といい、「都市コード=空港コード」というところがほとんどです。
3レターコードは、書き込み後の白地図に追記する方法をおすすめします。
都市の位置関係と一緒に覚えられ、観光資源の復習にもなるからです。
ユーキャンのテキストに載っていない都市が白地図にある場合は、
- 【都市名○○␣コード】で検索して、書き込む
- この後勉強する「国際航空運賃」の問題内で出てきた都市コードも書き込む
この方法でテキストに載っていない都市もカバーしていけば完ぺきでしょう。
(私はテキストのみの勉強だったで失敗でした)
問49トルコのANK(アンカラ)が、私の使っていたテキストには載っていませんでした
2レターコード、3レターコードの問題は2問のみですが、1問5点です
捨てるのではなく、拾っていきたい問題です!
3レターコード(都市コード)は、白地図に書き込んでいく
そのほか都市によって空港が複数あったり、都市コードと空港コードが異なっていたりするところもありますが、テキストに載っている分を覚えれば足りると思います。
エリア区分<時差エリア>
ひとつの国の中に、複数の時間帯が存在する国があります
例えば、カナダ、チリ、ニュージーランド、アメリカなど
すべて覚えるのは難しいので、頻出国に絞ります。
時差エリア区分【これだけは覚える!】
- アメリカ
- カナダ
- オーストラリア
やはり手書きで、都市がどのエリアに属するのかを確認してから書き込んでおくと良いです
【アメリカ】【カナダ】【オーストラリア】のエリア区分は、専用の地図を作って書き込む
観光資源と一緒にしてしまうと、白地図が見にくくなってしまうのでエリア区分用に地図を作成しましょう
地図をエリアで区切ったら、そこに主要都市を書き込んで完成です
【国際航空運賃】運賃の種類と運賃計算の手順
暗記ものをひと通り終えたら、次はいよいよ「国際航空運賃」です。
初めて見る言葉も多いので難しそうですが、運賃計算はやり方を覚えてしまえば必ず得点できるセクションです。
業界用語もしっかりと覚えていきましょう!
航空会社の定める航空運賃には、①普通運賃と②特別運賃があります。
航空運賃の種類
- 普通運賃・・・定価運賃。高価だが予約の変更が可能
- 特別運賃・・・割引運賃。細かな適用条件がある
実際の試験では、タリフ(運賃規則表)を読み運賃計算をしていきます。
総合旅行業務取扱管理者試験の当日は、問題冊子とは別冊でタリフが配布されます。
最近の出題傾向を見ると、国際航空運の計算問題は【特別運賃】からの出題がほとんどのようです。
どうしても時間に余裕のない方は、国際航空運賃のうち【特別運賃】だけでも完ぺきにしてください。
普通運賃の求め方
何度か国際航空運賃計算の過去問題を解く中で、運賃計算の手順が分かるようになりました。
2023年度版 総合旅行業務取扱管理者 過去問題集 [ TAC株式会社(出版事業部編集部) ] 価格:3190円 |
【普通運賃】計算の手順
- 出発地と目的地〔中間地〕をチェック
- W〔ウィークエンド〕か、X〔ウィークデイ〕か
- 【往路】運賃計算
- 経由地(途中降機/乗継)がある場合はマイレージ計算
- マイレージ計算:STPMとMPMを比較する
- STPM【小】< MPM【大】・・・割増無し
- STPM【大】> MPM【小】・・・要割増
- HIPチェック〔途中降機地点がある場合に行う〕
- 割増率⇒往復運賃×50%
- 【復路】運賃計算とHIPチェック
- 【往路】+【復路】 合計が運賃 ※往復旅行とオープンジョーはここで終了
- 〔周回旅行の場合〕CTMチェック
- すべての途中降機地点が対象
特別運賃の求め方
過去問題に取り組めば分かりますが、ほとんどの場合は以下の手順で特別運賃の計算をします
次の①~⑦の手順を覚えて、正確に特別運賃計算ができるまで練習しましょう
【特別運賃】計算の手順
- 出発地と目的地をチェック
- W〔ウィークエンド〕か、X〔ウィークデイ〕か
- シーズナリティをチェック
- 【往路】【復路】それぞれ計算
- 例外規定がない場合、【マイレージチェック】と【HIPチェック】を行う
- 往路運賃+復路運賃
- 【特定日(便)加算】+【途中降機料金加算】
⑤特別運賃のマイレージ計算(距離計算)やHIPチェックについては、必要ない場合は【しない】とタリフに明記されているので、
タリフが読めれば、簡単に計算することができます。
国際航空運賃計算の過去問題にチャレンジする中で、正確にタリフ(運賃規則表)を読めるように訓練していきましょう。
タリフを素早く読み取る、タリフの情報の見落としを無くす。
国際航空運賃の計算は数をこなして訓練するほか、上達の方法は無いと思います。
【出入国関係法令・実務】検疫や免税範囲は確実に覚える!
国際航空運賃の計算がひと通りできるようになったら、「海外旅行実務」の勉強もほぼ山を越えています。
あとは以下の3つを、正確に覚えるだけ!
- 旅券法
- 出入国手続き〔検疫・輸出入規制など〕
- 免税範囲
内容は難しくありませんが、最近のマークシートは、このように出題されるのが定番です。
「正しいものをすべて選びなさい」
自信を持って回答できるように、正確に覚えて満点を取りたいセクションです。
何問出題される?海外旅行実務の配点について
総合旅行業用務取扱管理者試験は、全52問で配点は200点、問題ごとの配点は以下のようになっています。
合格には、この「海外旅行実務」で6割となる120点以上取る必要があります。
200点満点を取る必要はありませんが、とこかでコケても大丈夫なよう、しっかりと基礎知識をたくわえましょう!
問題番号 | 問番号 | 配点×問題数 | 出題内容 |
---|---|---|---|
第1問 | 問1~4 | 5点×4 | 国際航空運賃 計算問題 |
第2問 | 問5~8 | 5点×4 | 国際航空運賃 計算問題 |
第3問 | 問9~12 | 5点×4 | 出入国関係法令・実務 |
第4問 | 問13~16 | 5点×4 | 出入国関係法令・実務 |
第5問 | 問17~20 | 5点×4 | 旅行英語 |
第6問 | 問21~24 | 5点×4 | 旅行英語 |
第7問 | 問25~44 | 2点×20 | 海外観光資源 |
第8問 | 問45~52 | 5点×8 | 旅行実務 |
合計 | 全52問 | 200点 |
すべてのセクションの勉強がひと通り終わったら、過去問題にチャレンジします。
過去問題解き、間違えた問題はテキストや白地図に戻って復習しましょう。
総合旅行業用務取扱管理者試験の模試などを受けなくても、過去問題を何周もやれば十分実力が分かります。
以上私が合格までにに行った独学勉強方法です。
何からスタートしたら良いか分からない方へ、私の独学学習法が参考になれば嬉しいです。
まずは自分の地図を作ることからスタートしてみてください。