これまでに添乗員として仕事で宿泊した部屋には、忘れがたい部屋というものがあります
添乗員部屋での泣きたい思いも、怖い思いも、今となっては良い思い出
今朝雪の降る様子を窓から見て、過去の添乗員部屋をふと思い出して懐かしい気持ちになりました
そういえばどれも冬の寒い時期の添乗でした
忘れかけていた記憶も、何気ないきっかけで鮮明によみがえることがあるのだと、おかしくて笑えてきました
扉を開けた瞬間にめまいが起こる平衡感覚を失う部屋
写真でお分かりになりますでしょうか、これは鍵を開けて部屋に入ってすぐ撮った写真です
畳が盛り上がって床全体がでこぼこしており、柱も斜めになっているような、、移動のたびに軽くめまいがします
和室が2間あり豪華な造りだったので、もとはハイグレード客室として利用されていたのでしょうが、もはや客室としては使えないレベルの歪みでした
向かって右側に和室が一部屋あったのですが、飾られている絵と人形が怖くてしかたありませんでした
私は見なくていいようにふすまを閉めようとしましたが、ご想像の通り歪みにより全く締まらず、おびえながら夜を過ごしました
驚愕!鏡もない、蛇口もない、あるのはベッドのみの超シンプル部屋
ある秋には、紅葉の古刹をめぐり山々を歩き回りました
添乗員たるもの、観光途中はペースのゆっくりなお客様に寄り添い、到着時と出発前はお客様の一歩先をいかねばなりません
途中途中で走るのはこのためです
山深い古刹ともなるとふくらはぎはパンパン、膝はガクガクです
宴会までの時間を部屋でゆっくり休もうと考えていた私は、部屋の扉を開けて驚愕してしまいました
なんと部屋には鏡の一枚もなく、トイレもシャワーもない、手も洗えない
荷ほどきするスペースすらない、ベッドのみの超シンプル部屋だったのです
トイレは男女共用で、そのトイレが洗面スペースという劣悪環境
生理中だった私は、フロントに部屋のチェンジを依頼しましたが満室で空きがないとのこと、
仕方なくトイレは毎回フロントエリアまで歩き、お風呂は貸切風呂を使わせてもらいました
縦長な広い和室にポツン、お殿様気分な部屋
思わず写真を撮ったこの部屋は縦に長く、12畳の部屋は実際より広く感じました
部屋のど真ん中にポツンと置かれたテーブルがやけに小さく見えます
この部屋のどの辺りに寝るのだろう、と考えながら宴会会場へ最後のお仕事へ向かいました
一日の仕事を終え、さあやっと眠れる、と窓側の方に敷かれた布団へ入りましたが
冬の日本海側は空気が室内でもひんやりとしていて、なかなか寝付けませんでした
私は布団を部屋の中央まで移動させ、まるでお殿様のように広い部屋のど真ん中で眠りました
「添乗員はどんな部屋に泊まっているの?」
よく聞かれる質問です
お客様の中には、良い部屋と豪華な食事で接待されているとイメージする方もいますが、全くそんなことはありません
さて次の添乗しごとではどんなお宿のどんな部屋を使わせてもらえるのか、楽しみ半分、不安半分です